研究発表要旨

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日本缶詰協会 第59回技術大会(大阪)

演題:とろみ調整食品の力学測定法に関する検討(口演)

高齢社会の中、介護食品の市場は急速に拡大している。中でも、液状食品や飲料に添加して適度な粘度を付与し飲み易くするとろみ調整食品の市場は、現在100億円を超えている。このような状況下、とろみの表現やとろみの付き具合に関して、画一的な規格や基準は存在しておらず、利用者の利便性の面から、規格・基準が求められていた。そこで、日本介護食品協議会では利用者の商品選択や使用する際の目安として、平成20年10月より、会員企業のユニバーサルデザインフード(とろみ調整食品)に「とろみ表現の目安」の表示をすすめている。

「とろみの目安」の設定にあたって、まず、とろみ調整食品の特性測定法を検討した。具体的に検討した測定方法として、TPA による「かたさ」「付着性」「凝集性」、B型回転粘度計によるずり粘度、リング法による保形性、動的粘弾性の歪みおよび周波数依存性を行った。また、それぞれの特性値間の相関、及び、同一試料を用いて測定機関間のクロスチェックを行った。その結果、TPAから得られる「かたさ」と「凝集性」の二次元マッピングにより、とろみ調整食品の物性を表現でき、とろみ調整食品の特性を評価する上でTPAが有効であることが示された。また、分析機関間での測定値のクロスチェックを行ったところ、粘度に比べてTPAの「かたさ」「凝集性」の測定値のばらつきは小さかった。更に、「TPAかたさ」は、とろみ特性の評価に使用されることの多い粘度およびリング法(保形性)とも相関が高いことが示された。このため、「とろみの目安」を設定するにあたってはTPAを活用することとした。

次に、「とろみの目安」におけるモデル食品の選定を行った。モデル食品の選択にあたってもTPA 測定の値を参考にして選定した。具体的には、TPA測定値の結果が商品毎に異ならない食品、また、とろみ調整食品の力学特性と同様の挙動を表せる食品を選択した。更に、選択されたモデル食品に関して、一般の方々にアンケートを行い、力学特性の結果ととろみのイメージの隔たりの少ないモデル食品として「フレンチドレッシング」、「とんかつソース」、「ケチャップ」、「マヨネーズ」が最終的に選定された。

現在、「とろみの目安」を付記しているとろみ調整食品は市場の半分にも満たない。
今回設定した「とろみの目安」は、付記しているとろみ調整食品が増えるごとに利用者の利便性は向上するものであるため、今後の普及に努めることが次なる課題である。

(上記の検討は日本介護食品協議会 自主規格分科会の検討成果(検討期間:2005年12月〜2008年1月)として、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会誌(13(1):10−19,2009とろみ調整食品の力学測定法に関する検討(Texture Profile Analysisの有用性について)に投稿)

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