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研究発表要旨

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第21回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会(東京)

演題:ユニバーサルデザインフード(UDF)における官能評価と物性値の関連性の検証

【背景】

近年、介護食への関心の高まりに伴い、基準の整備が進められている。「ユニバーサルデザインフード(以下、UDF)」(日本介護食品協議会、2002年)、「えん下困難者用食品」(消費者庁、2009年)、「嚥下食ピラミッド」(金谷節子、2004年)に加え、2013年には本学会の「嚥下調整食分類2013」、2014年には農林水産省から「新しい介護食品(スマイルケア食)」が発表された。それぞれの基準で対象や目的は異なるが、指標として物性値を採用しているものが多い。そこでUDFの物性値測定、官能評価を実施し、物性値と食感の関連性を検証することとした。

【方法】

試料はUDF区分1~4の計23品。官能評価者16名に対し、「つぶしやすさ」「べたつきやすさ」「まとまりやすさ」「飲み込みやすさ」「残留しやすさ」について官能評価を実施した。喫食温度は室温、喫食量は5g、回答方法は、基準とするおかゆを4として1~7の7段階とした。物性評価は、TPA測定(えん下困難者用食品測定法準拠、20℃)とし、官能評価結果との関連性を調べた。

【結果】

「かたさ」は、試料全般で「つぶしやすさ」と高い相関関係がみられた。それに対し、「付着性」・「凝集性」は。均質性の高い区分3・4では「べたつき」「残留しやすさ」「飲み込みやすさ」と相関関係があったが、常食に近い区分1・2ではそれらの官能評価項目との乖離が見られた。この結果から、「付着性」・「凝集性」については、食感との対応は限定的であることが示唆された。

【考察】

学会分類に示されたUDFとの対応説明は概ね正しいことが確認できた。ただUDF区分によっては得点率の低い項目があった。これは「かたさ」以外の物性値(付着性、凝集性など)が関与していると推測できることから、学会分類に配慮した製品設計のためには、これらの物性値についても考慮が必要と考えられる。

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