ワーキンググループでは、介護食の業界団体として「協議会」を設立することが大きな目的でしたが、その名称についても多くの案が検討されました。
結果的に、仮称としてきた「日本介護食品協議会」で決定することとなりましたが、案の中には「ユニバーサルデザインフード協議会」、「やわらか食品協議会」なども挙げられていました(第9回WG 議事録から)。
介護食品は将来、業界自主規格により明確化を図る必要、また生産統計等をとる上でも統一した名称が必要となることが想定されました。このため商品群名称についてもあわせて検討がなされましたが、度重なる議論においてもワーキンググループでは決定できなかったため、これを引き継いで組織された「日本介護食品協議会設立準備委員会」にて審議されることとなりました(平成13(2001)年9月〜平成14(2002)年2月。4回開催)。
協議会が考える「介護食品」については、摂食能力が低下した方々を想定した、あくまでも「口から食べる食品」を前提にしています。これは、糖尿病者、腎臓病者といった特定の病者向けのものや流動食でもなく、被介護者や、介助なく食事ができるが硬いものは食べにくいといった方々も含めた幅広い方々を対象とするものでした。これまでには「高齢者用食品」や「シルバーフード」といった商品が用いられていましたが、そのネーミングについての心理的抵抗から普及しているとは言いがたく、これに配慮した適切な名称が検討されることとなりました。
考案されたネーミング案は次の通りです。
以上の34の案に対して、委員による投票および商標登録の有無を調査した結果、「障がいの有無にかかわりなく誰もが使いやすい」といった意味で、協議会の考える「介護食品」の考え方によくあてはまる「ユニバーサルデザインフード」が採択されることとなりました。